ナカジマアート開廊30周年記念企画 Part.1
堀文子のデカルコマニ― |
ナカジマアートは2025年、開廊30周年を迎えました。これを記念し、企画展「堀文子のデカルコマニー」を皮切りに、これまで収集した貴重な作品を、4つのテーマに分けてご紹介する記念企画展企画致しました。
堀文子の作品は、作家自身が「画風をもたない」と語るように、時代と共に変化を続けていました。その中でも異色の時期にあたるのが、1960年代に発表されたデカルコマニー技法を取り入れた作品群です。堀は、最愛の夫を亡くした喪失感から脱却するため、2年半にわたり海外を放浪しました。長い海外生活を終えて帰国した後、カルチャーショックにより絵を描くことができない日々が続きましたが、デカルコマニーという技法に没頭し、心象風景を描くようになります。
デカルコマニーは、紙と紙などの間に絵の具を挟み、圧力をかけることで生まれる偶発的な表現技法です。この技法は、海外放浪中に訪れたメキシコを描いた大作《チアパスの夜》(1966年)や《魔王の館》(1964年)にも用いられ、高島屋での初個展にも多数出品されました。今展では、その初個展に出品された作品に加え、未発表の作品や書籍の挿絵に用いられた作品もご紹介しました。
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【作家】堀 文子
【会期】5月29日(木)~6月18日(水)
月-金 11:00~18:30 土 11:00~17:00
休廊日:日・祝
【備考】ワークショップ『デカルコマニ―体験教室』開催
講師:大久保迪子 6/13(金)・14(土)2日間 |